2015年9月30日水曜日

Osmanthus属の季節

今年は、例年よりも1週間早く金木犀が満開になっています。
私の一番好きな香りがこの金木犀です。

 
図1:キンモクセイ (Osmanthus fragrans var. aurantiacus

 金木犀の香りは、ほかのどの植物も作り出せない独特なフローラルノートを持っています。
 この金木犀の天然香料は たいへん高価な香料で取り扱っているお店が少ない貴重なものです。
 アブソリュートか、超臨界二酸化炭素抽出のものがあります。香りは、アブソリュートが力強くオイルの色は黄色を帯びた暗緑色です。また、超臨界二酸化炭素抽出は、咲き誇る金木犀そのものの軽やかで爽やかな香りがします。
 大学院時代に生薬・天然薬物学研究室で金木犀をたくさん摘んでn-ヘキサンで抽出し、エバポレーターでn-ヘキサンを溜去してアブソリュートを作りました。オイルは花と同じオレンジ色で生花の生き生きとした力強い香りのものが出来て感動したのを覚えています。

 この金木犀の香料を配合した香水があります。
 それは、GUERLAINのパープルファンタジー(2000年発売)です。
 このパープルファンタジーは、金木犀の香りそのものではなく、甘いパウダリーノートとウッディーノートが奏でる幻想的な香りでした。

図2:GUERLAIN PURPLEFANTASY EDT
 (2000年限定発売)



 その後2004年にパープルファンタジーは、ビーボトルで復活し限定販売されました。
 日本では、帝国ホテルのGUERLAINブティックでのみの販売で、2000年発売のものよりもフルーティーな香りのEDPで復活しました。
図3:GUERLAIN  エクスクルーシブフレグランス パトリモワンヌ
 このシリーズで PURPLEFANTASY EDPが復刻(2004年)


この金木犀は、オリーブやライラック、ジャスミンと同じモクセイ科(OLEACEAE)です。
このモクセイ科の植物は、私の心を鷲掴みする香りのよい花を咲かせるグループです。

 モクセイ属モクセイ(ギンモクセイ)の変種は、魅力的な香りでキンモクセイとは香りの雰囲気が違い趣深いです。
 銀木犀の匂いは金木犀と違いやさしく静かで甘い香りです。金木犀が『陽』ならば銀木犀は、『陰』といった感じでしょうか。咲く時期も、金木犀よりも1~2週間遅く咲きます。


 図4:モクセイ (別名:ギンモクセイ Osmanthus fragrans)



 そして、あまり見かけないモクセイにウスギモクセイがあります。
香りは、金木犀に近く華やかです。準絶滅危惧の植物だそうです。
このウスギモクセイは、実が成る株がありました。実は、小さなオリーブみたいな実がたくさん実っていました。



 図5:ウスギモクセイ (Osmanthus fragrans var. aurantiacus f. thunbergii )


 そして、11月中旬頃に咲くのがヒイラギです。
 この香りは、また格別に素晴らしい香りです。
 葉は、ギザギザの触ると痛い棘の形をしていますが、花は金木犀のようにたくさん咲きます。
 香りは、スズランとオオバナソケイ(香料を採るジャスミン:Jasminum grandiflorum ) を足して2で割ったような涼やかで甘い香り。

 葉は、非常に棘が鋭いので家に邪気を寄せ付けない強力な邪気払いの植物だと思います。節分にイワシの頭と柊を飾る風習や白魔術での魔除けなどに使用されます。
 実際、私の実家の玄関横(裏鬼門)に50年近く育てているヒイラギの大木があり、生まれてこのかた厄災らしいものに出会っていません。ヒイラギは、素敵な植物ですね。

 

図6:ヒイラギ (Osmanthus heterophyllus)


 金木犀の時期にやりたいのは、桂花烏龍を作ることです。
 金木犀の花を摘んで、凍頂烏龍茶と一緒にビンなどの容器に入れて香りを吸着させます。さらに食品乾燥用のシリカゲルをビンに一緒に入れてしばらく放置すれば完成です。
 桂花烏龍茶を作るというのは、1年中いつでも大好きな金木犀の香りを楽しめる方法です。
 売られている桂花烏龍は、茶葉がクズなのと香りがなんだかおかしいので等級の高い凍頂烏龍茶をベースにした手作りに限ります!!!

図7:金木犀の花を摘み取ったもの


図8:金木犀の花と凍頂烏龍茶(翠玉)を混ぜたところ


 図9:金木犀の生花と凍頂烏龍茶(翠玉)を淹れたもの

桂花烏龍(生花)バージョンは、この時期しか楽しめないスペシャルな香りのお茶なので是非チャレンジしてみてください。この感激は、なかなか得られない体験だと思います。




因みに、金木犀の花は、薬効があり生薬では下記の作用があります。 

生薬名:桂花(別名:木犀花)
性:温
味:辛
効能:散寒破結、化痰止咳、散瘀
    歯の痛み、痰が多く咳で息苦しい状態、腸風血痢、疝瘕、口臭および生理が止まり腹痛があるものを治療する。


2013年6月2日日曜日

香りで濕気を追い払う ~芳香化湿薬~

6月に入り梅雨の時期になりました。

私は、水濡れと高湿で機嫌も体調も凄まじく悪くなる面倒な体質。
だから、絶対手放せない処方があります。

それは、芳香化湿剤という香りで濕を追い払う処方の一群です。

平胃散は、蒼朮、厚朴、陳皮、甘草という3種類の生薬から構成される有名な処方。
この4種の生薬微粉末を混合し、生姜と大棗の煎じ液で服用すれば、湿気で重だるい、胃腸の具合が良くない場合、即効で調子が良くなります。
そのため、私はいつも生薬末を調合していつでも飲めるように平胃散の壜を作って常備しています。

平胃散に配合される生薬に、厚朴という生薬があります。
この厚朴という生薬は、モクレン科モクレン属シナホオノキという植物の樹皮を用います。
この生薬は、私の大好きな香りの生薬の一つです。独特なウッディーノートでベースノートになるような素敵な香りです。満開の花は、熟したバナナのようなトーンの高いフローラルノートで1輪だけでもあたり一面香りで満たされています。花の大きさは、人の頭ほどの大きさで非常に圧巻です。
この植物の親戚が、日本でも自生していています。それは、ホオノキ(Magnolia obovata)で、朴葉を郷土料理(朴葉寿司、朴葉餅、朴葉味噌、朴葉焼き など)に使ったり生活に密着した植物です。また、厚朴の代用生薬に樹皮を和厚朴として用います。
ホオノキの花にも強い香りがあり、熟した桃とマンゴーとバナナとイチゴをミックスしたような芳醇な優しい香りがします。

とても大きな木で、葉も大きく広い庭があれば一本植えたい植物です。


 シナホオノキ Magnolia officinalis  生薬名:厚朴(部位:樹皮)


しかし、梅雨の最盛期になると高湿で低温という嫌な天気になる場合があります。もう、そうなったら最悪です。 天中殺です。大殺界です。体は重だるいし、浮腫むし、何もしたくないし、満員電車に乗る気も起きないし、仕事も嫌だ。
でも、おまんまを食べないといけないから、仕事に行く・・・頑張って・・・・藿香正気散を飲んで・・・

藿香正気散は、素敵な処方です。
藿香(カッコウ)というのは、お線香や練香など日本のお香によく用いられる生薬。アロマテラピーでも利用されるパチュリーの事なんです。

アロマテラピーは、揮発性成分しか用いませんのではっきり言って、湿気を追い払うという本当の効果はあまり望めないかもしれません。しかし、粉末または、煎じ薬という形態なら高分子の化合物、その配糖体、多糖類などが経口摂取されますので期待大です。

藿香正気散の処方は、
藿香、紫蘇、白芷、大腹皮、茯苓、半夏、白朮、陳皮、厚朴、桔梗、炙甘草の10種類の生薬微粉末を混合し、生姜と大棗の煎じ液で服用します。
私は、これらの生薬を所定分量秤量して煎じて、温かいうちに飲みます。

この藿香正気散は、とっても藿香の香りがします。お線香を飲んでいるみたいだけど甘草の甘さや陳皮のヘスペリディック的香気や生姜・紫蘇・厚朴のオリエンタルスパイシーノートが調和し不思議とすーっとしてお腹から体のだるさが抜ける感じ!
素敵な香りの処方です。 ぜひお試しあれ!


参考資料 
太平恵民和剤局方より


卷之三 治一切氣
 平胃散

治脾胃不和,不思飲食,心腹脅肋脹滿刺痛,口苦無味,胸滿短氣,嘔噦惡心 酸,面色萎黃,肌體瘦弱,怠惰嗜臥,體重節痛,常多自利,或發霍亂,及五噎八 反胃,並宜服。

蒼朮(去粗皮,米泔浸二日,五斤) 濃朴(去粗皮,薑汁製,炒香) 陳皮(去白,各三斤)

上為細末。每服二錢,以水一盞,入生薑二片,乾棗二枚,同煎至七分,去薑、棗,帶 熱服,空心,食前。入鹽一捻,沸湯點服亦得。常服調氣暖胃,化宿食,消痰飲,辟風、寒 、冷、濕四時非節之氣。

 



卷之二〔續添諸局經驗秘方〕
藿香正氣散

治傷寒頭疼,憎寒壯熱,上喘咳嗽,五勞七傷,八般風痰,五般膈氣,心 嘔惡,氣瀉霍亂,臟腑虛鳴,山嵐瘴瘧,遍身虛腫;婦人產前、產後,血氣刺 並宜治之。

大腹皮 白芷 紫蘇 茯苓(去皮,各一兩) 半夏曲 白朮 陳皮(去白) 濃朴(
去粗皮)
 上為細末。每服二錢,水一盞,薑錢三片,棗一枚,同煎至七分,熱服。如欲出汗,衣 被蓋,再煎並服。





翠(みどり)の鉱石

緑色の鉱物には、様々なものがある。

代表的なものでは、緑柱石(Crが発色由来のエメラルド)、翡翠輝石、クリソプレーズ、マラカイトなど無数に存在する。

その中で、心に響く深い翠色をした鉱物がダイオプテース(翠銅鉱)です。
小さな結晶が無数に集まったものから、大きめの単結晶で産出する場合もある。
結晶を覗き込むと、翠の光が湧き上がって煌めきとても神秘的。

このような、深い色合いの光が結晶の奥から沸き起こってくる石は、辰砂の結晶です。
辰砂は、燃えるような真紅の結晶でとても美しい石の一つです。
辰砂に関しては、後日ブログにアップしようと思います。


ナミビア産 Dioptase(翠銅鉱)


 Dioptaseの組成式は、Cu₆(Si₆O₁₈)・6H₂O

コレクションを見ると、銅鉱物の青・緑の標本が結構多いのに気付いた。
私は、銅鉱物が大好きなんだな・・・って気づいた。 

2013年6月1日土曜日

エンドレスサマー

梅雨に咲く花で一番好きな花がアジサイ。
アジサイの魅力は、素晴らしい青系統の花色。

3年前から育てているアジサイのエンドレスサマーという品種は、返り咲きで6月の後もう一度くらい開花してくれるので大好き。

去年、エンドレスサマーの鉢にハイポネックスの粉末を大量にこぼしてしまい、土がアルカリに傾いてしまった・・・

そのため、今年は、ピンク~薄紫の花が開花してしまった。
青色のアジサイが好きなのに・・・と、がっかりしながら青色のアジサイ専用液体肥料を4月から与えて何とか青い花も咲きだした。

今年のエンドレスサマーは、ピンク、薄紫、空色の三色が一株で咲いている状態。

それにしても、アジサイの花色は、素晴らしい!




何とか、空色に咲いてくれたエンドレスサマーの花


去年の肥料の所為でピンクになったエンドレスサマーの花


2013年5月27日月曜日

螢石 フローライト

 最近、鉱物標本のコレクション整理をしていたら螢石(フローライト;Fluorite)の標本がたくさん集まっていることを再認識した。
 産地は、U.K.やU.S.Aのニューメキシコ州、ナミビア、スイス、など色々。
 産地ごとに特徴があって面白い。
 U.K. Durhamのフローライトは、深緑の透明感のある陥入式双晶で日光の紫外線で強く蛍光する。
 U.K. Yorkshireのフローライトは、綺麗な黄色で透明感あり。緑の層が入ることもあり美しい。
 U.S.Aのニューメキシコ州のフローライトは、青系の透明感のあるフローライト。
 ナミビアのRegionのフローライトは、緑・紫が迷彩状に見えるフローライト。
 スイスのフローライトは、名品のピンクフローライト。
 


 U.S.A.ニューメキシコ州産ブルーフローライト

 フローライトは、色味や形、劈開による正八面体など魅力的な鉱物でついつい集めてしまう。
 
 支那では、生薬として用いられ、重鎮安神薬という過剰に高ぶった神経症状などに用いる。
 生薬名は、紫石英という名前で用いられている。昔は、本当にアメシスト(紫水晶)を用いていらそうだが現在は、フローライトを用いている様子。
 

神農本草經 卷一 上經より引用

紫石英
味甘,溫。

主心腹咳逆(《御覽》引作嘔逆),邪氣,補不足,女子風寒在子宮,絕孕十年無子。久服,溫中、輕身、延年。生山谷。
《吳普》曰︰紫石英,神農、扁鵲味甘,平;李氏大寒;雷公大溫;岐伯︰甘,無毒,生太山或會稽,採無時,欲令如削,紫色達頭如樗蒲者。
又曰︰青石英,形如白石英,青端赤後者,是;赤石英,形如白石英,赤端白後者是,赤澤有光,味苦,補心氣;黃石英,形如白石英,黃色如金,赤端者,是;黑石英,形如白石英,黑澤有光(《御覽》掌禹錫引此節文)。 《名醫》曰︰生太山,採無時。 

 

2013年5月19日日曜日

最高品位 乳香&没薬

乳香と没薬の最高品質のものを補充しました。

オマーンのドファール地方に産出する、最高品位の乳香と没薬は、そんじょそこらのモノとは格段に違い香りが爽やかで深いのです。

乳香と没薬は、耶蘇教の耶蘇が生まれた際に東方の三博士が持参した宝物のうちの2つとされています。
まあ、耶蘇教は、邪教だけどww

耶蘇教よりもエジプトでの使用経験・歴史がはるかに深い。
太陽神ラーのため日の出に乳香、日没に没薬を焚いたそうです。
また、ミイラの語源も没薬(ミルラ)を用いてミイラを作成したことに由るそうです。

支那の伝統医学では、乳香と没薬は、活血袪瘀薬という血の滞りを除き流れを良くして血の浄化を図る分類の生薬になります。

しかも、この乳香と没薬はよく組み合わせて方剤に用いられるものになります。
乳香+没薬の方剤を『海浮散』といい、瘡瘍などの潰えた傷口を収斂しで皮膚や肉を新生し、痛みを止める作用があります。
氣の巡りと血の巡りを良くする作用が強く皮膚や皮下組織の再生作用が優れているので、アンチエイジングに有用ですね!

オマーンの人々は、日常的に乳香を焚くそうです。
宗教的・文化的に意味があるようですが、何より健康に良いから焚くそうです。

それにしても、オマーン産の乳香・没薬の香りは肺の奥まで吸い込みたくなるいい香りです。
心の穴を埋めてリフレッシュする素晴らしい生薬です。


 オマーン大使館お墨付き乳香&没薬


中身はこんな感じ


 乳香



 没薬






【参考】本草綱目より

薰陸香乳香(《別錄》上品)
【釋名】
馬尾香(《海藥》)、天澤香(《內典
宗奭曰︰薰陸即乳香,為其垂滴如乳頭也。熔塌在地者為塌香,皆一也。
時珍曰︰佛書謂之天澤香,言其潤澤也。又謂之多伽羅香,又曰杜嚕香。李 言薰陸是樹皮,乳是樹脂。陳藏器言乳是薰陸之類。寇宗奭言是一物。
陳承言薰陸是總名,乳是薰陸之乳頭也。今考《香譜》言乳有十餘品,則乳乃熏陸中似乳頭之一品爾。陳承之說為近理。二物原附沉香下,宋《嘉 本草》分出二條,今據諸說,合並為一。
【集解】
恭曰︰薰陸香形似白膠香,出天竺者色白,出單於者夾綠
曰︰按︰《廣志》云︰薰陸香是樹皮鱗甲也,紫赤如櫻桃,透明者為上。
云︰薰陸出大秦國。在海邊有大樹,枝葉正如古松,生於膠。夷人採取賣與商賈,無賈則自食之。
之,謂之西香,南番者更佳,即乳香
承曰︰西出天竺,南出波斯等國。西者色黃白,南者色紫赤。日久重疊者,不成乳頭,雜以沙石。其成乳者,乃新出未雜沙石者也。薰陸是總名,乳是薰陸之乳頭也。今松脂、楓脂中,亦有此狀者甚多。
史》言乳香有一松。以斤斫樹,脂溢於外,結而成香,聚而成塊。上品為揀香,圓大如乳頭,透明,俗呼滴乳。次曰明乳,其色亞於揀香。又次為瓶香,以 瓶收者。又次曰袋香,言收時只置袋中。次為乳塌,雜沙石者。次為黑塌,色黑。次為水濕塌,水漬色敗氣變者。次為斫削,雜碎不堪。次為纏末,播揚為塵者。觀 此則乳有自流出者,有斫樹溢出者。諸說皆言其樹類松。寇氏言類棠梨,恐亦傳聞,當從前說。道書乳香、檀香謂之浴香,不可燒祀上真。
【修治】
頌曰︰乳性至粘難碾。用時以繒袋掛於窗隙間,良久取研,乃不粘也。
大明曰︰入丸散,微炒殺毒,則不粘。
時珍曰︰或言乳香入丸藥,以少酒研如泥,以水飛過,晒乾用。或言以燈心同研則易細。或言以糯米數粒同研,或言以人指甲二、三片同研,或言以乳缽坐熱水中乳之,皆易細。
《外
【氣味】
微溫,無毒。
大明曰︰乳香︰辛,熱,微毒。元素曰︰苦、辛,純陽。
震亨曰︰善竄,入手少陰經。
【主治】
薰陸︰主風水毒腫,去惡氣伏尸,癮疹癢毒。乳香同功(《別錄》)。乳香︰治耳聾,中風口噤不語,婦人血氣,止大腸泄 ,療諸瘡,令內消,能發酒,理風冷(藏器)。
下氣益精,補腰膝,治腎氣,止霍亂,沖惡中邪氣,心腹痛疰氣。煎膏,治不眠(之才)。補腎,定諸經之痛(元素)。仙方用以辟谷(李 )。消癰疽諸毒,托裡護心,活血定痛伸筋,治婦人難產折傷(時珍)。
【發明】
時珍曰︰乳香香竄,能入心經,活血定痛,故為癰疽瘡瘍、心腹痛要藥。《素問》云諸痛癢瘡瘍皆屬心火是矣。產科諸方多用之,亦取其活血之功爾。陳自明《婦人良方》云︰知蘄州施少卿,得神寢丸方於蘄州徐太丞,云婦人臨產月服之,令胎滑易生,極有效驗。
用通明乳香半兩,枳殼一兩,為末,煉蜜丸梧桐子大,每空心酒服三十丸。李嗣立治癰疽初起,內托護心散,云︰香徹瘡孔中,能使毒瓦斯外出,不致內攻 也。方見穀部綠豆下。按︰葛洪《抱朴子》云︰浮炎洲在南海中,出薰陸香,乃樹有傷穿,木膠流墮。夷人採之,恆患獸啖之。此獸斫刺不死,以杖打之皮不傷,而 骨碎乃死。觀此,則乳香之治折傷,雖能活血止痛,亦其性然也。楊清
【附方】
舊四,新二十七。
口目 斜︰乳香燒煙熏之,以順其血脈。(《証治要訣》)
祛風益顏︰真乳香二斤,白蜜三斤。瓷器合煎如餳。每旦服二匙。(《奇效方》)
急慢驚風︰乳香半兩,甘遂半兩。同研末。每服半錢,用乳香湯下,小便亦
《博濟方》)。
小兒內釣腹痛︰用乳香、沒藥、木香等分,水煎服之。(阮氏《小兒方》)。
小兒夜啼︰乳香一錢,燈花七枚,為末。每服半字,乳汁下。(《聖惠方》)。
心氣疼痛不可忍︰用乳香三兩,真茶四兩,為末,以臘月鹿血和,丸彈子大。每溫醋化一丸冷心氣痛︰乳香一粒,胡椒四十九粒。研,入薑汁,熱酒調服。(潘氏《經驗方》)
陰症呃逆︰乳香同硫黃燒煙,嗅之。(《傷寒蘊要》)
辟禳瘟疫︰每臘月二十四日五更,取第一汲井水浸乳香。至元旦五更溫熱,從小至大,每人以乳一塊,飲水三呷,則一年無時災。孔平仲云︰此乃宣聖之方,孔氏七十餘代用之也夢寐遺精︰乳香一塊,拇指大,臥時細嚼,含至三更咽下,三、五服即效。(《醫林集要》)
淋癃溺血︰取乳香中夾石者,研細,米飲服一錢。(危氏《得效方》)
難產催生︰《簡要濟眾方》︰用黃明乳香五錢。為末,母豬血和丸梧桐子大。每酒服五丸。
《經驗方》︰用乳香,以五月五日午時,令一人在壁內奉乳缽,一童子在壁外,以筆管自壁縫中逐粒遞過,放缽內研細,水丸芡子大。每服一丸,無灰酒下。《聖惠方》︰用明乳香一豆大,為末,新汲水一盞,入醋少許。
令產婦兩手捉石燕,念慮藥三遍乃飲之。略行數步即下。
《海上方》︰用乳香、朱砂等分,為末。麝香酒服一錢,良久自下。
咽喉骨哽︰乳香一錢。
水研服之。(《衛生易簡方》)
香口辟臭︰滴乳噙之。(《摘玄方》)
風蟲牙痛不可忍者︰《梅師方》︰用薰陸香嚼,咽其汁,立瘥。《朱氏集驗方》︰用乳香豆許安孔中,燒煙箸烙化立止。
又方︰乳香、川椒末各一錢,為末,化蠟和作丸。塞孔中。《直指方》︰用乳香、巴豆等分,研和蠟丸,塞之。《聖惠方》︰用乳香、枯礬等分,蠟丸。塞 之。大風癘疾︰摩勒香一斤(即乳頭內光明者)細研,入牛乳五升,甘草末四兩,瓷盒盛之,安桌子上,置中庭,安劍一口。夜於北極下祝禱,去盒子蓋,露一夜。 次日入甑中蒸,炊三斗米熟即止。夜間依前祝露又蒸,如此三次乃止。每服一茶匙,空心及晚食前溫酒調服。服後當有惡物出,至三日三夜乃愈也。(《聖惠方》)
漏瘡膿血︰白乳香二錢,牡蠣粉一錢。為末,雪糕丸麻子大。每薑湯服三十丸。(《直指方》)
斑痘不快︰乳香研細,豬心血和,丸芡子大。每溫水化服一丸。(聞人規《痘疹論》)。
癰疽寒顫︰乳香半兩,熟水研服。顫發於脾,乳香能入脾故也。(《仁齋直指方》)
甲疽弩肉,膿血疼痛不愈︰用乳香(為末)、膽礬(燒研)等分,敷之,內消即愈。(《靈苑方》)
玉莖作腫︰乳香、蔥白等分,搗敷。(《山居四要》)。
野火丹毒自兩足起︰乳香末,羊脂調塗。(《幼幼新書》)
瘍風駁︰薰陸香、白蘞同研,日日揩之。並作末,水服。(《千金方》)。

沒藥
(宋《開寶》)
【釋名】
末藥。
時珍曰︰沒、末皆梵言。
【集解】
志曰︰沒藥生波斯國。其塊大小不定,黑色,似安息香。
頌曰︰今海南諸國及廣州或有之。木之根株皆如橄欖,葉青而密。歲久者,則有脂液流滴在地下,凝結成塊,或大或小,亦類安息香。采無時。
曰︰按︰徐表《南州記》云︰是波斯松脂也。狀如神
時珍曰︰按︰《一統志》云︰沒藥樹高碩如松,皮濃一、二寸。采時掘樹下為坎,用斧伐其皮之誤爾。所謂神香者,不知何物也?
【修治】
同乳香。
【氣味】
苦,平,無毒。
【主治】
破血止痛,療金瘡杖瘡,諸惡瘡痔漏,猝下血,目中翳暈痛膚赤(《開破症瘕宿血,損傷瘀血,消腫痛(大明)。心膽虛,肝血不足(好古)。墮胎,及產後心腹血氣痛,並入丸散服(李 )。
【發明】
權曰︰凡金刃所傷,打損 跌、墜馬調服。推陳致新,能生好血。
急,經絡滿急故痛且腫。凡打撲 跌,皆傷經絡,氣血不行,瘀壅作腫痛也。
活血,沒藥散血,皆能止痛消腫生肌。故二藥每每相兼而用。
【附方】
舊三,新六。
歷節諸風,骨節疼痛,晝夜不止︰沒藥末半兩,虎脛骨(酥炙,為末)三兩。每服二錢,溫酒調下。(《圖經本草》)
筋骨損傷︰米粉四兩(炒黃),入沒藥、乳香末各半兩,酒調成膏,攤貼之。(《御藥院方》)
金刃所傷未透膜者︰乳香、沒藥各一錢,以童子小便半盞,酒半盞,溫化服之。為末亦可。(《奇效良方》)。
小兒盤腸氣痛︰沒藥、乳香等分。為末。以木香磨水煎沸,調一錢服,立效。(湯氏《嬰孩寶書》)。
婦人腹痛,內傷 刺︰沒藥末一錢,酒服便止。(《圖經本草》)
婦人血暈︰方同上。
產後惡血︰沒藥、血竭末各一錢,童子小便、溫酒各半盞,煎沸服,良久再服。惡血自下,更不生痛。(《婦人良方》)
女人異疾︰女人月事退出,皆作禽獸之形,欲來傷人。先將綿塞陰戶,乃頓服沒藥末一兩,白湯調下,即愈。(危氏方)

2013年5月17日金曜日

オマーン産乳香・没薬

今日は、2年ぶりに天然の薫香料で線香などを創る薫物職人の方とお会いして3時間近くお話しした。

そして、素晴らしいオマーン産最高級乳香を純粋に楽しむための線香の試作品をいただいた。
火をつけると、乳香の爽やかな香り。

ふつうは、タブ粉というツナギの粉で線香を作るのだが、これは、そのような雑味のある香りを出さないように特殊な製造方法で作られている。

純粋に乳香を楽しむ線香。
これは、画期的&革新的な線香。

今後、オマーン産最高級没薬、伽羅、沈香、白檀と純粋な香りのシリーズを作るそうなのでとても楽しみです。